製造業の希望あるいは残酷な格差/トヨタ決算から
トヨタの19年度決算が発表されましたので
東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/349972
材料屋の僕ですが、何を隠そう今の仕事は自動車産業メインなので、もともと決して明るくなかった今年の市況はこのコロナ禍で壊滅的打撃を受けているわけで…
そんな中で天下のトヨタも20年度は売上2割減、営業利益で8割減となかなかパンチの利いた収益予想がでてきたわけで。
その中でも、記事中にあるようにトヨタは研究開発費も設備投資もほぼ前年度並みを維持するという。これは製造業にとっての希望ですね…こういう時だからこそのこういう発表はほんとうに強い意志表明ですね。
トヨタの社長が「リーマンの時は絞りすぎて必要な筋肉まで落としちゃった」って言ってるわけで同じ轍は踏まないってことなんでしょうが、これができるのもしこたま内部留保溜め込んでるからなんでしょうね…他のカーメーカー、特に欧米系はコロナ前から研究開発絞ってくみたいな流れでしたからね…
ボードゲーマー諸氏は苦しい時にその場を凌ぐに手一杯で次に伸びるアクションを打てなければ、先々ジリ貧になるだけってのは痛いほどわかると思うんですが、(どこというわけでもないですが)会社ってのは市況悪化するとすぐに出費削りがちですからね
緊縮は悪ですね。政治家たちも何かと公務員とか議員の給与削ってやってる感出したり、清貧アピールしたがりますが、そんなことやっても経済が地盤沈下してくわ人材の質は落ちるわなわけで。まあその帰結が現在なのでますますそうなるのはしょうがないとも言えますが。
自動車産業は「100年に一度の変革期」なんて言われてますが、この1年で次世代開発にきっちり投資できるところと緊縮せざるをえないところでは数年後に大きな差が開くでしょうね。
トヨタのような体力ある企業はますます盛んになり、そうでないところはますます貧しく。
なにも自動車産業に限ったことでもないですが、非情なものですが、このコロナ禍はこれまでにあったけれど顕在化していなかった格差というものを露骨に見せつけてくれるわけです。