万城目学と社史編纂室
ビッグイシューの最新号を読んでいたら巻頭インタビューが作家の万城目学だった。
正直、彼の作品は読んだことはないが(鴨川ホルモーとかのヒット作はタイトルくらいは知っているが…)、なかなか気になるインタビュー記事だった。
万城目氏は大学卒業後、化学繊維会社(!)に入社し、静岡の工場(!!)に勤務しながら、小説を書いていたと。ちなみに経理だったとか。
そして、入社二年半後に東京本社への異動を命じられた際に、本社では残業ばかりで小説を書けなくなる、と会社を辞めて執筆&新人賞への投稿活動に専念した、と。
いやーどこぞのChemistryでInnovationしちゃう会社にいたのかは知りませんが、なんというか親近感を覚えずにはいられないですね。
(まあ「まきめ」と読むのも知らず、ずっと「まんじょうめ」だと思っていたんですが)
僕も入社当初は、適当に仕事をしながらアフター5は人文書を読み読みどこぞかに駄文を書きなぐりながら生産性の上がらない日々を過ごしつつ、10年後くらいに社史編纂室に左遷されて会社の良い所だけをみて暮らしていきたい…みたいなことをぬかしていたわけです。
人文系の意識低い系労働者であるところの僕からすれば社史編纂室ってのはとても魅力的なポジションだよな、と思っていた僕ですが、会社の何十年史かの奥付をみて実際の社史を書いていたのは日経かどこかの関係会社だということを知り、夢のキャリアプランは早々に崩れ去ることとなる。
そうは言いながらもいつの頃からか意識低いなりにも存外に会社に適応し、仕事に愛着を覚えるなどしてしまい、会社を変えながらも同じ材料メーカーの立場にあるわけなので世の中わからないものです。
まあ僕にはそもそも文才もなければ文芸創作へ向かう意欲もなかったので、小説家になるという強い信念をもっていた万城目氏に勝手に親近感抱くのも失礼な話ですね。
そうえいば、入社後1年足らずで「漫画家になる」と言って会社を辞めていった同期はその後どうなったのだろうか。。
余談ですが、万城目氏といえばボードゲームも嗜むというか、京極夏彦亭で森見登美彦、綿矢りさという圧倒的な布陣でボードゲームをやったという話が数年前にバズってたのを思い出しました。
https://togetter.com/li/1136816
今年に入ってからもTwitterで見かけたなと思ったのは上記面子+小川哲でマーダーミステリーをやったというツイートでしたか。
小川哲はいいぞという話はおいておいて、SF作家のボードゲーマーといえば、高山羽根子がボードゲームカフェで働いていたとか。
かく言う僕も昔、東京出張に際して知人宅へ遊びに言ったら、なぜか海猫沢めろんがいてごいたのインストにはじまり四方山話をした記憶が思い出されました。あれはいったいなんだったのか