急がばしゃがめ

コンクリートジャングルで合成樹脂のささやきに耳を澄ませては目を回す。人文系だけど高分子材料でご飯食べてます。。SF読んだり、ボードゲームに遊ばれたり。一児の父。

ウイングスパン/追加プロモが出る説/ボドゲ界のブラタモリ説

最近ウイングスパンというボードゲームにハマっています。

各自の自然保護区に野鳥を囲っていくというコンセプトのボードゲームで実在する豊富な野鳥の種(基本では北米に棲息する170種、拡張第一弾では欧州でもう100種くらいが追加)とその生態を的確にゲームシステムに組み込んだところが高く評価され、ボードゲーム界で格別に権威があるとされるドイツ年間ゲーム大賞(のエキスパート)とドイツ年間ゲーム大賞のダブル受賞を2019年に果たしています。

カッコいい・カワイイ鳥たちをゲットし、その鳥たちを駆使・連携させてコンボを組み上げる喜びたるや…

 

というわけでTwitterで小出しにしているウイングスパン情報をこちらに書き残しておきます。

 

1.公式からの拡張および追加プロモ

ウイングスパンの欧州に次ぐ第二弾拡張のオセアニアの詳細情報がStonemaier社から公開されています。話題になってますが、楽しみですね!

んで、この情報が公開されているのはSM社公式HPなんですが、そこに加えてFacebook上にあるウイングスパンのSM社公式?ファングループページでも公開されているようです。DAY1,DAY2と情報が小出しにされているのはこういうSNSでの情報公開を念頭に置いていたのかと合点がいった次第。

それでこちらのFBグループに参加して(参加リクエストしたら秒で承認されたので自動承認される模様)ちょいちょい覗いています。

前置きが長くなりましたが、そこでこんなSM社公式の投稿がありました。


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ここからわかることは…

①ウイングスパンはオセアニア以降であと4つ拡張を出す予定

 (七大陸を制覇するつもり)

②正規の拡張とは別に、追加のプロモーションカードのパックのリリースの計画がある。

③追加プロモの参考にアンケート実施中。

 

①についてはどこかですでに公言されているのかもしれませんが僕が公式のコメントとして確認したのは初めて。七大陸完走してもらいたいものです。

が、実際にそうなったら一体カード枚数は累計でどんなことになってしまうのか。すでに欧州拡張の段階ですでにカットするのめっちゃ大変なんですけど。。。

そして、七大陸とは…北米、南米、ユーラシア、アフリカ、オセアニア、南極、ん?あとひとつはまさかアトランティス????とか一瞬思いましたが、ふつうに考えてユーラシアをヨーロッパとアジアに分けるってことですね。欧州拡張はもう出てるわけですし。

オンラインでウイングスパンを遊びながら仲間内でオセアニアに次ぐ拡張はどこか…とか話していたのですが…第2弾のオセアニア拡張が2019年末のオーストラリアの大規模な森林火災の被害を受けて、その支援に充てるため、ということで第二弾はオセアニアになったという触れ込みだったと思いますので、次は南米かなと僕は予想しています。鳥好きの方に言わせると南米はわりかし北米と棲息種がだぶっているということなんですが、そうはいってもアマゾンがありますからアマゾンの固有種とか華やかなものが多数あろうかと。そしてその固有種こそ度重なる森林火災で絶滅の危機にあるのだとしたら、やはり南米なのかな、と。

②に関しては朗報ですね。候補としてはすでに絶命した種や絶滅危惧種、空想上の羽の生えた生物などが挙がっています。

んで、③につながるわけですが、現状は絶滅した種が優勢でした。僕としてはそもそものウイングスパンのコンセプトとして売上から鳥類の保護に役立てるというのがあるので、そこに忠実にいくなら絶滅危惧種なのかなと思っていたのですが、そしたらそしたで実際に拡張出すときにネタかぶりというかネタを削ってしまうことになってしまうという心配も。だったら素直に絶滅種でもいいのかなと。

 

2.鳴き声アプリ

これもFBのファングループで知ったのですが、なんとウイングスパン専用アプリとして、鳥カードをスキャンすると、その鳥の鳴き声が再生されるというアプリがリリースされているのです。


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残念ながら現状アンドロイドのみ。

多言語にも対応していて、これでウイングスパンをプレイする楽しみが増えるね!やったねたえちゃん!と思っていたら悲しいかな日本語には対応していない模様。

悔しいので別のスマホで英語版鳥カードを表示させてアプリダウンロード済のスマホでスキャンして鳴かせるなどしました。。それにしても古くはプラモ狂四郎、僕の世代では遊戯王みたいにボードゲームをAR(拡張現実)的に楽しむ時代というのはそう遠くない未来かもしれないですね。すでにそういうAR機能を実装したボドゲがいくつか出ていたとは思いますが。

 

3.オンラインウイングスパンのすすめ

そしてこれがいちばん言いたいことになりますが、最近リリースされたSteam(PC上のデジタルゲームプラットフォーム)版のウイングスパンをちょくちょくやっています。よもやウイングスパンをPCで、オンラインで遊べるようになろうとは。


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東京時代のボドゲ仲間、かつて大阪で一緒に遊んでいたけれどいまは北海道に行ってしまった友人、そして、鳥好きが高じて他のボドゲはしないけどウイングスパンだけはやるという鳥好きの人などとオンラインウイングスパンをやっています。

僕はオンラインでボドゲするときは基本的にフリーのマッチングというよりも、知り合いとラインでグループ通話をしながら遊んでいます。なんだかんだ言ってボドゲの楽しみはゲーム中のおしゃべり、コミュニケーションのウェイトってまあまああるよなと。

それで、最近よく一緒に遊んでもらっている鳥好きの方が本物の鳥好きの方で「北米の鳥はあまり詳しくない」と言いながらも、各鳥の生態についてあれやこれやと教えてくれるわけです。そうしてもらうことによって、各鳥に与えられた能力や各種ゲームシステムが鳥たちの生態や性質にマッチしているかを知ることになり…噛めば噛むほどじゃないですが、知れば知るほどウイングスパンの完成度の高さがわかる。この学術的知見を”遊び”の中に巧妙に組み込んでいき、それを"遊び"ながら解きほぐしていくことでその世界の見え方が変わる、見えていなかった深さが現出してきて、そこに”おもしろさ”が生じるというのは…そう、ブラタモリ的なおもしろさだなと。ということでこれからウイングスパンをインストする時には積極的に「ボードゲーム界のブラタモリ」と呼称していこうと思います。もっとましな比喩を思いつくか心が折れるかするまではこれでいきたいと思います。

ところで、生態学も金にならない学問、そして(目に見える、企業が喜ぶ)成果が出にくい学問(昔、講義を受けていた科学史の先生は「もともとはシロアリの生態を研究していたけれど、3年かけてようやく論文1本書けるかどうかなので、論文数で業績評価される今の制度ではとても食べていけないので科学史に鞍替えした」的なことを言っていたのを思い出す)でしょうが、人文科学もその点では負けず劣らずではなかろうかと。人文科学でもこういう人文知を組み込んだボドゲができないものか…単にトリビアとかフレーバーとして拝借というよりはゲームシステムとマッチさせる、ここがとても難しいんでしょうが。改めてウイングスパンはすごい。おそらくですが、この成功にはデザイナーのElisabethが鳥類研究者(だったと思う)であることに加えて、おそらく極めて商売上手なSM社の入れ知恵(決して悪い意味ではなくて)があってのものではないかと邪推しています。

 

4.Steam版ウイングスパンの特徴

これまでに遊んだ中で気づいたこと。

 

<メリット>

・CPUを追加して適度に人数を調整できる

・得点計算が速くて確実

・プレイ中に自分の現状の得点が一見してわかる。

・プレイ中にラウンド終了時ボーナスの競合状況が一見してわかる

・大量のカードをカットしなくてよい

・プレイ中に鳥カードをクリックすると鳴き声がする

・右クリックするとトリビアが表示される(手札のみ?)

 

<デメリット>

・CPUが弱すぎる。イージーとノーマルの2種があるけれど、ノーマルがふつうに弱い。打ち筋がまったく謎。

とはいえ調子いい時は80点くらい取るので時々迷走してしまうとCPUにすら負ける。その時の恥辱たるや。あと、わりと利他的行動(たとえば全プレイヤーが餌取れるとか鳥カードひけるみたいなのを躊躇なくやってくれるのでとりあえずCPU入れとくと総得点が伸びやすいという麺はがある。)

・誤植 *なぜかプレイ時能力をもつ鳥カードに「群れ」効果の表示がある

・処理落ちがぼちぼちある。特に自身がオンラインゲームのホストになるとなりやすい?バードパワー(桃色能力)発動に関する通知が消えなくなる不具合が頻発してエサ箱からめっちゃ取りにくくなるやつなんとかしてほしい。

・(デジタル化したからといって特段プレイ時間が短くなる感じはしない)

・拡張未追加。基本のみ。

・ゲームバランス調整のためのバリアントをいれようがない。

 

兎にも角にもオンラインで遊べることにそれ以上のメリットがないわけですが。

早々にバグとかが是正されることを望みます。

 

それにしてもいいゲームです。だいたいオンラインで週に2~3回は遊んでます。Steam版買ったという人はぜひ一緒にやりましょう。買ってない人もこの機に買って一緒にやりましょう。