おもしろさを解体する―――『ゲームメカニクス大全』と『料理の四面体』
ちょいちょいいそがしいですが、元気にやってます。
最近読んだ2冊の相関作用によって焚きつけ?られるものがあったのでこちらに書き残します。
1.『ゲームメカニクス大全』
ボードゲームにおける各種メカニズム/メカニクスを解説した本。
オークションやワーカープレイスメント、エリアコントロールなどメカニズムごとに章立てされていてさらに細かく項目に分かれて長所だとか逆に短所を実例をひきながら説明が盛りだくさんの550ページ。
エリアマジョリティってある種のオークションだよね的な視点をかえることで各種メカニクスの共通点やその関連性がみえてくるのは目からウロコな感じ。
カタンのプレイ準備で初期開拓地を設置する際に、2巡目は1巡目と逆順にプレイヤーが選ぶアレに「スネークドラフト」を一語で言い表すこんなスタイリッシュな言い回しがあったとは…
あとp.210の訳注でしれっと以下のように定義されていてなるほどってなりました。
エンジン:得点を自動的に生み出す装置
エコノミー:効率的に得点する仕組み
兎にも角にもボードゲーマーならおもしろく読めること請け合いなのだけれど、出版社なのか本屋はシステムエンジニアにオススメ本として宣伝しているのでボードゲーマーもSEもそのどちらでもない人もきっと楽しめると思うので。
などという前段はおいておき、本論はこちら。
2.玉村豊男『料理の四面体』
僕は知らなかったんですが、エッセイストとして有名な方みたいですね。
古今東西の料理がでてきますが、それぞれの調理方法に着目してそれらを相対化して解きほぐしていく。その果に著書の言う、火、空気、水、油の4つの頂点からなる「料理の四面体」という調理理論へ辿り着く…このタイトル回収する流れが大変にスタイリッシュ。トリビア的なやや冗長でオサレ感のある語り口でありながら徹底して平易な表現で読み手を惹きつける。あれやこれやと洋の東西に現代から文明以前にまでブンブン振り回されているかと思ったら、実はそれらが有機的につながっていて結論にあたる理論を導き出すためのパーツであるというのがわかる。
「料理の四面体」という理論自体があらゆる料理をその射程にとらえる意欲的かつ優れたアイデアあるということもさることながら、それ以上に読んで思うことには…こういう本を、文章を書きたかった(合成樹脂がどうだとか、自動車がどうなるだとか、ではなく)。
それはさておき、僕がこの本を知ったきっかけはTwitterの模型界隈で話題になっていたから。こういう記事も。
さて、要するに僕としてはこの「料理の四面体」的なモデル化理論をボードゲームなりなんなりの僕の趣味の分野で構築してみたいということ。ボードゲームがなんか一番近そうな感じが。日々の多くのデザイナーたちの創意工夫によって既存のゲームメカニクスの組み合わせなり、はたまた斬新なゲームシステムから新たなおもしろさが生まれてきているわけですが、その普遍的な特徴なり共通する法則性なりを取り出してみたいものです。
その野望を実現するためにはもっとボードゲームで遊ばねば(たぶん違う